車種:スバルレガシィ BD5A-RS
作業日2003/04/16
走行距離[202,140km]
ヘッドカバーパッキンを同時に交換したのは距離ではなく、オイル漏れが一番の原因。右の写真の様に何時も駐車しているEGの下部がオイルで濡れておりこれがいつまでも乾きません。
乾かないと言う事は常にオイルが垂れているという事で、精神的にも良くありませんよね。これだけ濡れると、オイルポンプシールの劣化からオイル漏れが起こり、そのオイルがタミングベルトに悪い影響を及ぼす可能性が多分に有ります。
オイルが漏れた時、タイベルへの影響が懸念されますが、漏れる場所と量でこの辺りは変化する。外部から確認できれば良いのですが、その方法が無いので、外部に漏れた時は修理となる。車検でもこれだけ漏れていると修理が必要になります。交換はDラーで行ったので、基本的には有りませんが後日交換した物が出来るだけ解かるように画像をUPしていく予定です。
今回のタイベル交換時、交換した主な部品
- タイミングベルト
常識的に考えると切れる可能性は極めて低い。
定期的なオイル交換と、メーカー補償範囲の使われ方が絶対条件。
<検証>
周囲に極僅かであるが、EGオイルが飛散していたので、交換して正解でした。
タイベルの確認をした所、PSベルトなどの様に反対に曲げてもひび割れる事も無く新品と見間違えるほどで、磨耗も見られずまだまだ現役と言う感じ、整備士の方からも同様な意見でした。 - パワステベルト等
常識的に考えると切れる可能性は極めて低い。
定期的張力調整を行えば5年位で切れる可能性は極めて低い。
<検証>
前回交換してから4万km程走行し、ひび割れなども確認できたがそのまま使い続けても切れる可能性は低いと思う。 - ウォーターポンプ(以降Wポンプ)サーモスタット
寿命は、色々で3万~10万km以上持つ物も有る。
目的はEGの中の冷却水であるLLCを循環させる事。壊れる原因はベアリングの寿命によるガタツキ=音が外に聞こえる時もある。その他には、シールの劣化から冷却しが滲み出し、本体のベアリングに冷却水がかかる事でベアリングの損傷に繋がる。
<検証>
本体には異常は見られないが、ベアリングに若干の違和感を感じたので、このまま乗り続けることで近い将来損した可能性が高い - ヘッドカバーパッキン
直列EGではほぼ無交換。水平対抗は、これが劣化するとEGオイル漏れから走行中EGオイルの焼けた匂いがしたり、ボンネットの隙間から白煙が出たり様々。写真は上部ですが、オイルが漏れる所は下側になるので、下から確認しないと解かりません。一度漏れ出すと、市販のオイル漏れ防止など使っても意味がないようです、個人的にも幾つか使ってみましたが効果無し。交換が一番確実。
<検証>
見た目の劣化は少ないが、弾力性に欠けていた。 右の写真は交換後の物で、矢印の先端がヘッドパッキンになります。場所は助手席側
5.オイルエレメントへ繋がるホース
正確な名前は解りません。オイルエレメント周辺のホースで、画像からオレンジ色の矢印先端。白い矢印の先端がオイルエレメント。この上部も汚れていますね。このゴムの配管はエキマニの上を逃げるように配管され、主にエキマニからの熱で劣化し、金属との接合部分からオイル漏れとなる。おそらく、工場の組み立てラインの関係?それとも振動?から、この部分がゴムの配管になったのかな?
<検証>
オイルの圧力が掛かる事から耐圧ホースが使われていた。クランプで止められていた端から膨れだしていた。更に接合部分からオイルが滲み確認できた。
6.オイルポンプ
エンジンOILをEG内に循環させる為のポンプ。極まれの交換比率。
ここに使われるパッキンがほぼ10万km程度で劣化し、オイルが滲み始め、更には漏れまで行くと上の写真のような状況になる。
<検証>
本体の軸のガタは殆ど無かったが、シールの劣化が確認できた。
7.タイミングベルト・テンショナー(ベアリング)
ベルトが高速で回転すると波打つ。その防止が主。適切なバルブタイミングを保つのが目的。ベルトの張り具合を調整するベアリング寿命は10万km以上が普通
<検証>
見た面は遮へいされたタイベルカバー内に有るので綺麗であったが、微妙なガタツキ(ゴロゴロ感)が確認できた。 タイミングベルト(以降タイベル)交換する事だけを考えていると、これだけタイベルに関係の無いパーツを交換する事が不思議に感じる方も居ると思います。
例えばウォーターポンプは、シールの劣化からベアリングが損傷すると、タイベル交換と同じ交換工賃が掛かります。さらにサーモを交換したのも、Wポンプ交換でLLC(ロングライフクーラント)を捨てる為でこの部品の寿命が来ると、サーモは開くか?閉じるか?のどちらかに。
- 開いたまま
冷却水が温まらず、燃費の悪化・パワーダウン・冬ならヒーターから冷風が出る。 - 閉じたまま
冷却水が循環せず気が付かなければEGは熱により所謂オーバーヒートが起こり壊れる。
走行距離と、過去の経験・定期交換していないパーツなら、同時交換する事で安心と先の経済的な事まで考えると無駄がありません。
タイミングベルトはなぜ切れる?
今回改めてこの事を考える。
尚、交換距離のシールと表題の距離が異なっていますが、シールの方が間違いです。上記の検証から、殆どが10万km以上走行できる状態であった事が確認できました。
オイルポンプシールの劣化から今回タイベル交換をしましたが、パーツの耐久性を考えると、10万kmでの交換はメーカーが保証できる最低限のラインであり、仮にオイル交換をあまり行わない人が使った車でも、タイベルが損傷する可能性が低い距離という事になります。
しかし、それでも車を購入した時の取扱説明書に書かれたEGオイルの定期交換時期を守る事は必要で、車を所有するオーナーの自己責任でもあります。この走行距離に関しては、私が時々書いている10万マイル=160万kmと関係があると感じています。
日本での使用を考えると10万kmを一つの目安と考え、大陸的な使い方(日本なら北海道)を考えると10万マイルが限界なのかな。
- ゴムベルトの切れる可能性は金属チェーンよりも高い。
ベルト本体の耐久性は10万km以上走の耐久性は有るが、その他のパーツの劣化から寿命が縮まる事で破断する可能性がある。その原因が正しくユーザー(車の所有者)に伝わらず、結果的にタイベル交換に過敏になっていると前回そして今回感じた次第です。 - 切れる原因は1回目の方に例を挙げているので確認して下さい。
- オイルに辛いターボ車でも定期的に交換し、更にはヘッドパッキンを交換した時EGのヘッドカバー内側の状態から、EGが理想のコンディションという事が解かれば、オイル交換のタイミングから来るタイベの破損は有り得ないという事になります。(オイルだけが原因では無く、冷却水の漏れも考えられます)
- スバルの車は基本的にオールアルミEG。
更には軽量化などの理由からタイベルを使っていのだと感じます。(メーカーに確認はしていません)しかし、他のメーカーは金属で出来たチェーンに切り替えています。確かにEJ20はタイベルが他のメーカーのEGよりも長いので重量的にもその他回転するので不利になりやすい事は想像できます。しかし、オイルポンプや、ウオーターポンプなどが壊れる事が無ければ、10万km以上走行しても支障が無いという事。(但しウオーターポンプは、早いと3万km前後で壊れる方もいますので、私の書き込みが全てでは有りません。) - 上記の事から自動車の安全性を改めて考える。
ベルトより多少金属の方が不利であっても、高速走行中で切れる可能性が高い事を考えるとチェーンの方が安全性が高くなるのでは?人間は必ずミスをします。ミスの原因は2つあると言われています。一つはヒューマンエラー。これは人間のミス=オイル交換をサボった。もう一つはメカニカルエラー=機械のミスです。しかし機械は人間が作るので、よく考えると人間のエラー=ヒューマンエラーになる物が多いと感じます。 - 確かに、タイベル=金属以外の物が世の中に登場して直ぐは切れたりする事が有ったのも事実。
その経験から金属チェーンに変更してきたのが日産。過去の車の一部で使われただけ。 - どんなに安全を考えても必ずミスはします。
新型車のあらゆる効率の追求も解かりますが、早くスバルの車がベルトから脱却する事を希望します。そして、極一部の人が切れた事で、タイベルに対して過敏に反応。切れた車のEGを検証するとオイル交換を定期的に行わなかった為(サボっていた?他のパーツの寿命から被害が広がった?)10万km前に切れたた事が、自動車メーカーに対して責任追及に及んだ事も聞いています。更にネットでタイベルが切れるという事が広まれば。。
壊れる前の定期交換部品もあり、タイベルもその一つ早めの交換を否定は致しません。壊れた原因を車の責任=不良と言う気持ちも解かります。私も有ります。しかし分解し検証する事で本当の原因が見えてきます。それが「資格のある整備士の目であり・腕、職人」です。
タイミングベルト交換一回目。同時交換推薦部品
- タイミングベルト(毎回)
- アイドラーベアリング(毎回)
EGが稼動している時、たとえアイドリングでもタイミングベルトと同時に回転している。 - ウォーターポンプ(Wポンプ)
冷却水の循環に使う。シール(パッキン)が劣化する事でポンプのベアリングの破損に通じる。Wポンプベアリングもアイドラーベアリングと同じに回転しているので,次の10万kmを安心して迎えるなら同時交換。 - サーモスタット
冷却水の温度を一定に保つ部品。一定の温度で開放しEG内に冷却水が循環。それ以下では閉じ、EG温度を保つ。寿命から開いたままになれば、冬は水温が上がらず、反対に閉じるとオーバーヒートに繋がる。Wポンプを交換すると、冷却水(LLC)を抜く事になるので、Wポンプ交換時同時交換を推薦。 - オイルポンプシール
オイルポンプのパッキンで、これが劣化すると、オイルが滲みタイミングベルトに付着する事から、シールのみ10万km毎の交換。
タイミングベルト2回目。同時交換推薦部品
- タイミングベルト(毎回)
- アイドラーベアリング(毎回)
- Wポンプ(毎回交換を推薦)
- サーモスタット(毎回交換が推薦だが2回目までの耐久性も有ることがある。(ふん転菓子号が該当)
- オイルポンプ本体
国産車で本体が壊れる事は殆ど無いが、20万km以上乗る事を考えるなら、本体交換を検討する。
尚本体を交換するとシールも同時交換となる。シールの値段は\100位 - ベルトテンショナー
タイミングベルトが回転すると波打ったり、走行距離が進むとベルトが伸びるので常に一定の張力を保つ部品。20万km超えるとテンショナーからのオイル漏れも有るので、2回目の時は交換を検討する。 - クランクシャフトプーリー
EGのクランクフトに直接接続されているプーリー。この部品のダンパー部分が劣化すると発電不良やパワステが効かない状況になる。タイベル交換時このパーツを外す事から、20万km以上乗るなら交換する。
純正以外の社外品にはアルミで出来ているパーツも有るが、ダンパーが無いので、EG回転の急激な上昇・下降時その衝撃を和らげる事が出来す、純正以下の耐久性で破損する可能性が考えられる。 - カムシャフトシール
EGのタイベルが付いている前側に4個存在する。このシールが劣化するとEGオイルが滲みタイベルに付着する事から、20万kmで、このシールも交換する。EG後ろ側はシールは存在しないので漏れることは無い。
6番以降は、20万km以上の走行を前提に推薦する定期交換部品であるが、使い方・走り方で劣化の度合いは変化する。例えば市街地走行の多い車と、高速道路を日常的に移動する車では、条件が異なり高速の移動の方がストップ&ゴーが皆無な事から耐久性は伸びる傾向にあり、劣化するパーツも異なる可能性が出てくる。
一回目のタイベル交換を10万kmで交換するのではなく、10数万km以上走行し、丁度良いタイミングで交換するのも方法であるが、自動車メーカーが推薦する交換距離とは異なり、あくまでも自己責任となる。
タイベル交換2回目の同時交換推薦部品は、1回目の時に交換しても支障は無い。あくまでも「ふん転菓子号」の事例から見た交換サイクルである。」この事から全ての車両に通じる交換部品ではないので、あくまでも参考までにして欲しい。
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